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二段燃焼式ガス化焼却炉がダイオキシン類を発生しにくい理由
二段燃焼式ガス化焼却炉やガス化溶融炉といえども、ダイオキシン類の発生がゼロということではなく わずかに発生していますが、その濃度レベルは平成9年12月施行の法令排出基準値(新設)の  1/50〜1/80 (排ガス処理前)がこの焼却炉の通常のレベルです。
二段燃焼式ガス化焼却炉のダイオキシン類排出濃度が極めて少ない理由を、 次の5点にまとめることが出来ます。
理由その1 二段燃焼式ガス化焼却炉は完全燃焼性が高い
理由その2 炉の内壁はすべて耐火構造物
理由その3 フライアッシュの発生排出が極めて少ない
理由その4 運転開始時、終末期の温度維持が容易
理由その5 骸炭化物(おき火)の高温灰化
理由その1
 二段燃焼式ガス化焼却炉は完全燃焼性が高い
排ガス中のダイオキシン類の濃度が、排ガス中の一酸化炭素(CO)濃度に比例することは、 かなり以前から知られていました。 つまりこのことは、完全燃焼させるとダイオキシン類を 発生させないか、または発生しても分解することが出来るということです。  平成9年12月1日、法令は焼却炉に、完全燃焼状態の安定的維持を要求し、CO排出基準を 100ppm以下 としました。  二段燃焼式ガス化焼却炉は、燃焼形態(ガス化燃焼)や、炉の構成、構造、燃焼制御の方法等によって 通常この 3/100(3ppm)以下 が容易に維持される焼却炉です。
焼却炉の中で、ガス化焼却炉やガス化溶融炉が,低ダイオキシン特性を有することから 「次世代型の焼却炉である」と言われていますが、これらの共通点は、焼却物を 直接有炎燃焼させるのではなく,第一段目は無炎燃焼にとめて抑制燃焼とし、 第二段目の燃焼で、第一段目の生成ガスを通常その生成ガスのみで、一気に有炎燃焼させる 燃焼形態にあります。 他のタイプの多くの焼却炉では、通常、物性が雑多な焼却物を、そのまま安定的に完全燃焼させることは かなり困難であり、完全燃焼の向上、維持のためには、乾燥し、サイジングし、発熱量別に仕分けし、 定量供給し、そのうえ商業燃料による助然を必要とするなど、前処理や操作を必要とします。 二段燃焼式ガス化焼却炉においては、第一段階で焼却物をガス化しますが、ガスは燃焼空気と 良好な混合が得られる焼却物の前加工と同じことと言え、ガス化させることは最善の 前処理方法ととも言えます。
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理由その2
 炉の内壁はすべて耐火物構造
焼却炉が一種の"ダイオキシン発生装置”であると、極言されることもありますが、 二段燃焼式ガス化焼却炉では、その生成を抑制することも、生成したダイオキシン類を、焼却炉内で分解することも、可能です。 特に二段燃焼式ガス化焼却炉は、ダイオキシン類の発生を合理的に抑制する焼却方法と、構造になっていますが、 それでもなお生成された微量のダイオキシン類は、第二段階の生成ガス燃焼室においてほぼ完璧に熱分解することが出来ます。 その理由は、炉の内壁を(金属を全く用いず)遠赤外線放射率の高い耐火物で構築しているためで、 ダイオキシン類生成の触媒作用を有する、塩化鉄や酸化鉄を皆無としたことにあります。 鋼材壁構造の場合、水冷が前提となりますが、水冷壁面の温度は100℃に近似的なため、壁面で形成された塩化鉄や酸化鉄と、塩化水素やダイオキシン前駆体などを含む燃焼ガスやダストとの接触が不可避的であります。また、水冷壁面の温度が100℃前後の場合、焼却物の燃焼ガスに含まれる水蒸気や油状ミストは、壁面で結露するため 、ダストを付着しやすく、ダイオキシン類の生成が危ぶまれるところです。 その点からも、耐火物で構築された炉の壁面温度は、炉内の雰囲気温度に限りなく近づくため(壁面温度を高く維持し)壁面に付着するダスト類からのダイオキシン類の生成も抑制することができます。
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理由その3
 フライアッシュの発生排出が極めて少ない
焼却炉からのダイオキシン類の発生に最も影響が大きいとされる要素の一つに、フライアッシュがありますが、二段燃焼式ガス化焼却炉はそのフライアッシュの発生(排出)が極めて少なく、例えば、生成ガス燃焼室出口のばいじん濃度は通常  0.01g/Nm以下で 0.003g/Nm (法令基準値 0.15g/Nm以下) に達するものも少なくありません。 当社データ
二段燃焼式ガス化焼却炉のばいじんの排出量が少ない理由の一つに既述の、完全燃焼性の高さが上げられますが、完全燃焼により、煙(=炭素微粒子) や可燃性ミストが燃焼し尽くされるからであります。 同時に焼却物がガス化室内に一括して満杯に挿入された上、密状態で積層された焼却物の最下層からの無炎燃焼の進行であるため、生成ガスのストレーナーの作用と効果を及ぼしています。 この作用と効果は、無火格子・固定炉床、バッチ型、穏やかな供空方法、生成ガスは底部からの上向き流である二段燃焼式ガス化焼却炉の構造、焼却方法からもたらされる特徴のひとつです。
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理由その4
 運転開始時、終末期の温度の維持が容易である
法規をはじめ、ダイオキシン類抑制のためのガイドラインなどにおいて、バッチ式より、大型連続型が奨励されていますが、その最大の理由は、運転開始時(立ち上げ期)と終末における、燃焼室内部温度の高温維持の困難性、不安定燃焼の機会の減少を要求していることにありますが、二段燃焼式ガス化焼却炉は、ダイオキシン類抑制のための熱的条件で言えば、既述の通り2室別置きで、焼却物の挿入されていないほうの「空」の室、つまり生成ガス燃焼室を、その低床部近傍、または始端部に装備した助然バーナーの短時間の事前作動によるダイオキシン分解温度レベルの800℃以上にも安定的に維持できることから、法規やガイドラインが要求する「大型・連続式」の目的を、形を変えてその要求以上の状態で満足することが出来ます。 また、第一段の目のガス化室を、2〜3基(複数基)装備し、第二段目の生成ガス燃焼室1基装備の態勢を採る焼却プラントの場合、ガス化室の時間差(リレー)運転により、文字通りの連続運転とすることが出来ます。
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理由その5
 骸炭化物(おき火)の高温灰化
燃え殻(おき火)に残るダイオキシン類は、二段燃焼式ガス化焼却炉の第一段燃焼が、既述の通り焼却物の乾留であることから、直接燃焼方式比較して(炭焼き釜のように)焼却物の炭化が進みやすく、その骸炭化物はガス化末期から「おき火燃焼」が始まり、1200℃以上の高温で均一に燃焼した後灰化させるため、ダイオキシン類の残留は極めて微量となります。 この成果は、ガス化(乾留)操作による骸炭化物と、無火格子・炉床供空の合理的なコンビネーションからもたらされるもので、焼却炉の燃え殻を別途の燃え殻処理炉に取り出し、再加熱してダイオキシン類の分解を図る操作に等しく、同一炉で多機能を有するものといえます。 現時点において法令上は燃え殻の、ダイオキシン類残留基準値を設定していませんが、二段燃焼式ガス化焼却炉は通常0.03ng-TEQ/g以下のレベルであるので、法規制を期待し、評価を待つところであります。
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